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フリーランスフリーラン

とくにないです

月に一度訪れる恐怖

月に一度の儀式が始まる。

 

階下の実母が差し入れと称して二階へと上がり腐りかけの野菜を置いて行くのには理由がある。僕はそれと引き換えに家賃・生活費と言う名の供物を捧げて「在るべき場所へと還れ!」と九字を切るのだ。

 

おぉぉん…

 

と声無き声を発した後、心なしか満足げな表情を浮かべた実母はペタペタと足音を鳴らしながら再び階下へと戻って行く。僕は軽くなった財布と残された腐りかけの野菜を見遣りながら「くそっ…くそっ…」と嘆き、嗚咽して夜を過ごすのだ。

 

来月また訪れるであろう実母を果たして再び祓う事ができるのか。祓うだけの収入があるのか。震えながら眠る。それがフリーランスの宿命なのかもしれない。