フリーランスフリーラン

とくにないです

剱岳でがちキャンした思い出

ゆるキャン』と言うアニメが流行っているそうです。女子高生のゆったりとしたキャンプライフを描く物語です。

 

ぬるい…

 

ぬるい…ぬるいって…言ってんだろうが!何が『ゆるキャン』だ!女子高生のゆったりとしたキャンプライフだ!可愛い女子高生がキャンプ場でイチャイチャ?!見える!見えるぞ!予言します!キャンプ場でキャンプを楽しむ彼女たちを陵辱する薄い本が出ます!早く出て!一刻も早く!

 

取り乱しました。

 

キャンプを愛する者の一人として、昨今のキャンプブームに憂慮する気持ちが暴走してしまいました。先日ボルダリングを勧める記事の中で人口が増えることによるリスクとモラルの低下について書きましたが、キャンプについても同様ですね。人の少ないキャンプ場で冬キャンプなんて相応の装備がなければ死にますし、人が集まれば盗難や隣人トラブルも増えます。

 

去年のキャンプで僕のテントの目の前で焚き火をしたパーティがおりまして、夜通し煙で燻された時には本気の殺意が沸きましたからね。火の粉でテントに細かい穴まで空きましたからね。パーティの構成がおっさんで占められていたから関わりたくなくて振り上げた拳を下ろしましたが、それが作中のような女子高生パーティだったら大変なことになっていますよ。「やっぱりやめましょう…こんなこと…ね」ダメだ!だったらこのテントの穴を塞いでくれよ!S・D・E!(テントの型番)S・D・E!(テントの型番)みたいな。

 

これまでカップルとファミリーなどのリア充が占めていたキャンプ場にオタクとおっさん、もしくはオタクのおっさんが投入されることで発生する問題もあるでしょう。最近では成人男性が女児を視界に捉えただけで事案として処理されてしまいますから、キャンプ場は隔離スペースを用意するなどの対応を求められるかもしれません。さながら国産種を守るために駆逐される外来種のようですね。

 

と冗談はここまでにして(精一杯の自衛)キャンプって本当に良いものですよね。

 

去年剱岳に2泊3日で行った時は本当に感動しました。キャンプと言うよりは登山なんですけど。東京駅から富山駅、更にバスを乗り継いで室堂へ。そこから雷鳥沢を超えて剣澤キャンプ場まで重い荷物を担いで上がった頃には息も絶え絶えだったのですが景色を見た瞬間に全てが報われました。

 

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剱岳と青い空

 

夜、標高2500メートルを超える剣澤キャンプ場から見える星空は普段見ているものとは別物でした。頭上をせせらぐ天の川、星の瞬き、時折現れる流れ星に願いごとをしてみたりして、年甲斐もなくロマンチックな夜を過ごしました。すぐ後ろのテントから深夜遅くまで女性の独り言が聞こえましたが、北アルプス雄大な自然が僕を寛大にしたのでしょう、聞こえないフリをして寝ました。

 

翌日は遂に剱岳にアタックです。早朝後ろのテントに富山県警が声を掛けていましたが、今度は見ないフリをして出発です。流石に険しい道程ではありましたが、有名な「カニのヨコバイ」や「カニのタテバイ」などの難所でも渋滞は発生しておらず、日頃のフリークライミングの成果もあって華麗に踏破、天気にも恵まれて前日同様に最高の一日を過ごすことができました。

 

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落ちたら大変なことになる難所

 

登山後はゆったりとしたキャンプライフを満喫です。余裕を持ったスケジュールなので料理をしたり昼寝をしたりして過ごしました。ソロ滞在でも寂しさを感じたり、時間を持て余すことは全くありません。

 

最終日、荷物をまとめて剱岳に別れを告げます。剣澤キャンプ場から室堂までの所要時間を考えると少し足取りが重くなりますが、身体中を満たす北アルプスパワーが疲れすらも楽しませてくれます。憧れだった剱岳にソロで登ったと言う事実や、相も変わらず眼前にある荘厳な景色、記事では省いてしまった他の登山者との出会いと交わした言葉、その全てが力となって「明日からも頑張ろう!」と言う気持ちにさせてくれました。雷鳥沢キャンプ場に辿り着くまでは…

 

雷鳥沢キャンプ場で半年前に別れた彼女と出会うまでは…

 

北アルプス大自然人智の境界線を超えた場所にあり、時に猛威を振るいます。その猛威に取り込まれ渦中にある人間は抗うこともできず、成り行きに任せることしかできません。内心オフシーズンの北アルプスで知人と出会う確率を計算してそれが奇跡に近いとわかり、山の神死ね!死んでから生き返ってもう一回死ね!と思わないでもありませんでしたが、致命傷を負いながらもなんとか下山することができました。

 

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山頂での一枚

 

このように、例えそれが『ゆるキャン』であっても予想だにしない出来事に巻き込まれるかもしれません。これからキャンプを趣味にしたいと言う方はルールとマナー、時に牙を剥く大自然への備えを万全にして勝手に楽しんでください。