フリーランスフリーラン

とくにないです

これが真の闇と言うものだ

僕は労働意欲を失い、やがてクズとなった。

 

昔のゲームのキャッチコピーみたいでかっけぇ!と思っていたのも束の間、矢継ぎ早に押し寄せる将来への不安に押しつぶされてそのまま目を閉じた。布団の中で我は思う。「何故こんなことになってしまったのか…」と。「力が欲しいか…」と。いやいらん。寝かせてくれや。

 

そもそも昔はこんなんじゃなかった。もうちょっと意欲もあったし、クズとまでいかないカスぐらいの人間だった。僕を変えてしまったのはこれまでに勤めてきた会社だ。昨今はなんでもかんでもブラック企業だのと言っているけれど、これまでの会社はブラック企業を超えたベンタブラック(世界一黒い物質)企業だった。

 

ある企業では入社歓迎会で大食いを強要されて喉が裂けた。同日に入社した僕を含めた四人のうち一人は翌日から来なかった。彼は大食いの後に屋台の焼き芋まで強要されていたので当然と言えば当然なのかもしれない。

 

同じ会社の仕事中、外の空気でも吸おうとベランダスペースに出た際、別の同期が柱にグルグル巻きにされていたこともある。彼は上司のサンドバッグにされていた。僕は静かに扉を閉めて何も見なかったことにしたが彼は当然音信不通となり、もう一人の同期も知らぬ間にいなくなって苦楽(楽?)を共にした仲間は絶滅した。

 

その後も先輩が空き巣で検挙されたり、会社に警察のガサ入れが入ったりと悪い意味で賑やかな会社だった。最終的には濡れ衣を着せられて僕まで検挙され、なんかそのまま書類送検された。しかし、その時は茫然自失とするばかりで本当に恐怖を感じたのは、事が収まった時に僕を労う会が催されて上層部が集まった時だ。

 

「今回は大変だったな。でも大丈夫、ここにいる奴らは皆前科者だ。これでお前も本当の仲間だな(笑)」

 

逃げた。逃げたら追われたのでまた逃げた。

 

思い返していたら、こんなん労働意欲なんて当然のようになくなりますやん。むしろよく生きてるな。